犬の鼻腔内腺がんについて (補足追記あり)(2020年1月追記あり)
同じ病気で苦しんでるワンちゃん、飼い主さんへ
少しでも参考になればとじん母の分かる範囲で
じんたの病状、治療方法などを時系列で書いてみる事にしました。
現在、治療をして頂いてる 埼玉動物医療センターです。
ブログに載せる事は林宝院長の許可を頂いております。
2016年後半~
鼻血がでるようになりました。
初めはどこかにぶつけた?怪我した?と様子をみてましたが
2017年の年が明ける頃には鼻血も多くなり、鼻水もでるようになり
かかりつけのDrに診て頂き、抗生剤、抗ヒスタミン剤、ステロイドなど
試してみましたが一向に良くなりませんでした。
途中でDrより鼻腔内腫瘍の可能性が高いので、腫瘍専門医のいる病院で
CT検査を進められましたが…
CT検査は全身麻酔で行う事、鼻腔内腫瘍は悪性の可能性が高く
その場合、治療しても完治はしないとの事で…
じん父と相談し、完治しないなら痛い怖い辛い検査もしないで
自然にまかせて対処療法でとお願いしてました。
2017年4月~
左目の上にタンコブのようなしこりがでてきました。
写真でも左目の上が腫れて瞼が下がってるのが分かると思います。
Drによると、これは鼻とは別もの可能性があって、ここだけ切除するのも
考えられるとの事で、ほっておくと大きくなる目が開かなくなってしまう
可能性も出てくるし、じんたも辛いだろうと紹介状を書いて頂き
埼玉医療センターで検査して頂くことになりました。
2017年6月4日
CT検査、病理検査を1泊入院でしてもらう。
2017年6月17日
検査結果は鼻腔内腺がんでした。
鼻腔内のガン細胞が左目のまわりの骨をとかし瞼の上に腫瘍が
繋がっている状態でした。
この時点で余命6ヶ月の宣告を受けました。
治療方法は
①放射線治療
愛知県の病院での治療になり、ワンセットが4週間の入院で
月~金の5日間毎日全身麻酔での放射線照射→2日休みを
4週間繰り返すそうで、体力気力かなりきつく、金銭的にも
かなりのかかるそうです。
②抗がん剤治療
以前の抗がん剤はがん細胞以外の良い細胞も壊してしまうので
副作用が強く辛い思いをしたそうですが、
今は分子標的薬と言って分子レベルで一つの分子細胞を徹底的にたたき
腫瘍が大きくならないようにするそうですが、完治は望めません。
メリットは経口投与なので自宅で出来る事。副作用が少ない事。
我が家は1ヶ月遠くへ入院の選択肢はゼロでしたので、
②の抗がん剤治療(分子標的薬 トセラニブ)を選択しました。
6月24日
抗がん剤投与開始
飲み始めの副作用はなく、1週間もしないうちに目の上のしこりが
小さくなり、触っても見た目も無くなってしまいました。
あまりの効き目にびっくりしたじん父母でしたが、
院長先生の話では見た目は無くなっても病巣は残ってる可能性があるので
時期がきたらCT検査してみましょうとの事でした。
ボク、何度も頑張って検査したんだよ~ じんた
9月2日
日帰り入院でCT検査
幸い、鼻腔内と瞼の腫瘍は小さくなってきてるようでした。
…が、この頃から副作用がではじめて、下痢、嘔吐するようになって
薬の量を減らして様子みなど繰り返してました。
10月29日
検診時、こちらの病院で 『超音波乳化吸引装置』による治療が
できるようになったと詳しく伺いました。
この治療はまだ確立されたものでなく、三重動物センターなるかわ病院の
生川Drが学会では発表されたのが始まりのようです。
友人だった生川Drに話を聞き、準備して埼玉動物医療センターでも
治療はできるようになったそうです。
林宝院長の方法は
個体差によりますが、基本は初めの4回は4週間おき
5回目から8週間おきで間隔を延ばしていく方法だそうです。
手術は1泊入院で血液検査ののち全身麻酔でCT検査してから
鼻からのノズルを入れて超音波で腫瘍を破壊し吸引して患部に直接抗がん剤を散布する。
(抗がん剤の直接散布はほとんどの子が副作用がでないそうです)
実際、じんたもこれによる副作用はでてません。
時間は10分~15分位なので麻酔時間も少なく体への負担も最小限ですむようです。
この治療は腫瘍の大きさや出来た場所、年齢や体の大きさなどで出来るか、出来ないか。
また、まだまだ確率された治療でないので飼い主さんの理解も必要との事でした。
林宝院長の話では、関東圏ではおそらくまだ埼玉動物医療センターだけで
三重動物医療センターと2か所だけかな…話してくれました。
この治療をしてもらうか?2日間じん父母で悩み、かかりつけのDrにも相談して
林宝院長を信頼してお願いすることになりました。
じんた、この治療が合っていたようで、昨日、5日目の手術が無事に終わりました。
現時点では他への転移もなく、鼻腔内の腫瘍も大きくなってなくて、今回また吸引
したので腫瘍はちいさくなり、病状は良い方向で落ち着いてるそうです。
これから、退院のじんたを迎えに病院へ行ってきます。
最後までみて頂いてありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。
歳をとっても、病気になっても大切な家族です。
大切な家族と穏やかに暮らせる日々が一日でも永く続きますように。
いろいろなタイミングが合ってじんたが治療を受けられることに感謝しています。
補足
現在のじんたは超音波乳化吸入の治療の効果があり、鼻腔内腺がんが見つかってから
11ヶ月が経ち、良い状態でいる事は確かです。
でも、この犬の鼻腔内腫瘍(悪性)は、今の医学では完治する治療はまだ無くて
放射線や抗がん剤、超音波乳化吸入術などでガンの進行を多少でも遅らせて
生活レベルの維持を目的に治療を行ってる近状です。
うちではガンと共存していくつもりで、親しみを込めてガンタロウと呼んでます。
ガンタロウは今は1/4以下に小さくなりじんたの体で大人しくしています。
左目のまわりの骨を溶かして目の裏に小さくなったガンタロウがいます。
そのガンタロウがすぐ隣の脳へ浸潤することが一番怖いじん母です。
じんたは今、13歳と3か月を過ぎました。
今後、転移により悪くなるか、鼻腔内のガンタロウが大きくなって悪くなるか、
小康状態を保ち寿命を迎えるか、誰にも分かりませんが、その時その時で
一番良いと思う方法で対処していけたらと思っております。
うまく、気持ちが伝えられたか心配ですが、この病気になった方の状態も
百人百様なので、愛犬と家族と病院のDr、スタッフと話し合って
愛犬(家族、我が子)にとってナンバーワンの治療が見つかることを願っております。
2018年5月1日 じん父・じん母・じんたより
~2020年1月28日追記~
2017年6月に余命半年宣告を受けたじんた
今月20日に15歳の誕生日を迎えました
あれから、約3年半経ちました。
昨年(2019年)5月に9回目の超音波乳化吸引装置による施術
&右前の犬歯抜歯(根管嚢胞のため)を受けた時のCT検査で
肝臓に新しいガンが見つかりました。
ショックでした。 泣きました
肝臓ガンは手術で取る以外の治療法は無いらしく…
ガンの出来た場所・大きさ・じんたの年齢や鼻腔腺ガンを患ってる事
肝臓にガンが出来たため全身麻酔のリスクがかなり高いとDrに説明を受け
じん父と相談して2つのガンと共存して寄り添っていく決断をしました。
その時に立てた3つ目の目標『15歳の誕生日を元気に迎える』を
無事に達成出来ました♪
途中、歯ぐきが腫れて食欲が無くなったり
鼻詰まりが酷く呼吸しづらくなったり
下痢を繰り返したりなど、大波小波をのり越えて来ました
今は近くのかかりつけの動物病院でステロイドと整腸剤、甲状腺の薬を
処方してもらって何かあったらその都度対処療法で診て頂いてます。
好きなもの食べて、お散歩して毎日ゆったり穏やかに生活してます。
じんた
ゆっくりでいいよっ!!
一歩ずつ、ゆっくり前に進もうね
お友達のわんちゃんママさん、いつも応援して下さって
本当にありがとうございます<m(__)m>